ワクチン接種のお話
可愛いペットを恐ろしい病気から守るために。
ワクチン接種の目的は、感染すると命に関わるような病気にかかる前に、予防注射によって体の中に免疫(抗体)をつけ、もし感染したとしても発病しないように、または発病しても軽くすむようにしておくためのものです。
病気からペットを守るためのワクチン接種ですが、まれに顔が腫れる、下痢や嘔吐をするなどの副反応が起こることがあります。
当院で初めてワクチン接種をする際には、病院内で副反応の観察のための時間を設けています。また、午前中の接種(日・木曜日を除く)をおすすめしています。
ワクチン接種時期と回数
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- 犬の場合
- 生後50日頃から3回(最短で3週間毎)接種を行い、以後1年ごとに追加接種をします。
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- 猫の場合
- 生後2~3ヶ月に1回目の接種、1回目の接種から3週間~1ヶ月後に2回目の接種を行い、以後1年ごとに追加接種をします。
ワクチンで予防できる病気
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- ジステンパー
- 死亡率の高い病気です。仔犬の発生が多く、発熱・下痢などが起こり、神経症状を示し衰弱死してしまいます。
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- 犬伝染性肝炎(アデノウィルス1型)
- 肝炎が起こり、嘔吐・下痢・食欲不振などが起こります。仔犬では突然死することもあります。
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- 犬伝染性咽頭気管炎(アデノウィルス2型)
- 肺炎・扁桃炎など呼吸器病を引き起こします。
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- 犬パラインフルエンザ
- 気管・気管支・肺に炎症を起こし、激しい咳が特徴です。
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- パルボウィルス感染症
- 激しい下痢や嘔吐が起こります。仔犬の場合は特に症状が重く死亡率の高い病気です。
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- レストスピラ症
- 人畜共通感染症の1つ。発熱や嘔吐、脱水、出血などを起こし、重症化すると死に至ることもあります。
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- 犬コロナウィルス感染症
- 軽い胃炎の後に多くは回復します。仔犬の場合は、嘔吐と中~重度の水様性下痢が起こります。
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- 猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
- 発熱・激しい嘔吐・血便や脱水症状が起こります。仔猫では死亡することもあります。
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- 猫カリシウィルス感染症(FCV)
- クシャミ、鼻水、咳などがみられ症状が進むと口の周りに潰瘍ができます。2次感染が起こると肺炎などを併発し死亡することもあります。
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- 猫ウィルス性鼻気管炎(FVR)
- 急に元気や食欲が無くなり、次に発熱、鼻水、目ヤニなどがでます。
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- 猫白血症ウィルス感染症(FeLV)
- 免疫力が低下し、腎臓病、リンパ腫などの原因になる恐ろしい病気のひとつです。仔猫の場合は、発病しやすく死亡率の高い病気です。
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- 猫クラミジア感染症
- 目ヤニを伴う持続性の結膜炎が特徴です。鼻汁や咳もあらわれ、ときに気管炎などを併発し、重症になった場合は死亡してしまうこともあります。