皮膚病のお話
皮膚病の疾患は400以上
小動物の皮膚科では400以上の疾患が報告されており、診断に悩む症例では初診時に病気を大まかに8種類に区分します。実際にはこの8種類のうち数種類が組み合わさって症状を表している場合が多いと考えます。
皮膚病の疾患郡
(8種類に区別)
-
- 感染症
- ・寄生虫(ノミ・ダニなど)
・細菌
・真菌(カビ)
・ウィルス など
によるもので、
一般に痒みを伴う
-
- アレルギー疾患
- ・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
・ノミアレルギー など、
一般に強い痒みを伴う
-
- 角化症
- ・脂漏症(あぶら症)
・フケ症
・乾性脂漏症
(フケ症なのにあぶら症) など
-
- 内分泌疾患
- 主に、甲状腺の機能異常・副腎の機能異常・性ホルモン異常など中~老齢犬に多く、脱毛を伴うことが多い。
-
- 免疫介在性
- ヒトの膠原病に近い疾患。顔を中心としたひどい潰瘍など、口腔内や粘膜に水ぶくれや肉球(パッド)に異常がでることもある。
-
- 先天性疾患
- 遺伝的要素などによる素因、特異性、奇形による生まれつき、または幼少時から発症、毛包の形成不全による脱毛薄毛、異常な毛質など。
-
- 腫瘍
- 皮膚のしこり、できもの。俗に良性のものをイボ、悪性のものを癌と呼んだりする。老齢犬に多い。
-
- その他
- 上記区分に合致しないもの、明らにされていないもの、未知の病気。
治療の流れ
- 1問診・・種類、年齢、性別に注目し、生物学的、経験的に重要な疾患群の予測
- 2診察・・主症状と(1)から予測された疾患群の鑑別
- 3検査・治療的評価…特定疾患の評価、個別性を重視した治療を決定するための検査や治療による効果の検討を、順次適切に実施
- 4治療方針の決定
段階的な検討により、診断の精度が高まり、仮に特定の診断名をつけられない症例であっても適切な方針を誘導することができます。